耳にたこができた。
「不景気」という言葉を聞かない日はない。
まして、響きは毒々しい。
毒気を帯びた社会で生きていく私たちは
何にあたり何を求められるのか?
今の私たちとは?
イメージで言えば糸を張り、獲物がかかるのをじっと待つ蜘蛛。
攻撃的ではなく保守的。確実に獲物を捕らえる姿勢。
私たちに求められるモノとは?
糸の間隔が広ければ小さな獲物がすり抜け、
獲物が大きすぎると糸が耐えきれず切れてしまう。
獲物がかからなければ張る場所を変え、形状を変え、
生き延びる為に経験を重ね、知識を貯え、時に自らを危険にさらす。
また、ある時には、雨・風にさらされる状況を乗り越え。
ただ貪欲に。大小問わず獲物を逃さぬ姿勢を。
だからこそ、デザイン性のある糸を張る蜘蛛は、魅力を放つ。
捕獲の美。
細かく美しく、強度ある糸を張る攻撃的な姿勢こそが必要なのでは。
無駄なモノとは?
デザイン性のない古くなった糸。
闇雲に張り巡らされた計画性のない糸。
新たな場所へ仕掛けようとしない姿勢。
私目線。
毒気を帯びた社会は蜘蛛の生態と似ている。
蜘蛛の社会性は単独生活、肉食性であるから当然のことと考えられる。
獲物が捕れない責任は自分へ降りかかり、それが続けば死あるのみ。
それぐらいストイックな社会なのだ。
しかしながら、人間社会において単独行動だけではこの毒社会は乗り越えられない。 唯一存在するならば、スパイダーマンぐらいだろうか?
個の張る糸が重なり、大きな獲物を確かに捕らえる。
誰かの逃した獲物を粘着性の強い誰かの糸で補う。
ストイックな社会ではお互いの糸が頼りなのだ。
無駄なモ ノを削ぎ落とし、求められるモノを身に付けた集団を形成する。
共に働く仲間に出会えた運命の糸を信じ
「仕事」ではなく「志事」として糸を張れ。